大きな仕事に取り組むには先ずタスクの細分化を行い、対応可能なシンプルな目標を設定する。長期間のプロジェクトもゴールから逆算し、細かいマイルストーンを設定すれば、達成に向けて的確な行動を起こすことができる。ブランドのコミュニケーションデザインも細分化が必要な大きなタスクだ。多くのユーザーにブランドを認知させ、その欲求を刺激し、購入させ、他人へのクチコミまで起こすという複雑なユーザーエクスペリエンスを設計しなければならない。購買検討プロセスの様々な段階にいるユーザーを理解し、次の段階に薦めるために、マーケティング担当者は利用可能なチャネルを駆使し、適切なメッセージを送り届けなければならない。
ブランドサイトも同じく、ユーザーの様々なニーズや購買検討段階に合わせたコミュニケーションを行わなくてはならない。設計を行う前に、ユーザーにどのように接触し、どのようなメッセージを伝えることで、どのようなアクションを行わせるのかを明確にしなければならない。ユーザーが購買検討プロセスの各段階で行うべき一連のアクションが明確になれば、個々のアクションを達成するために必要なデザインを考えることができ、ユーザーエクスペリエンスを最適化することができるはずだ。このUXマップは購買検討プロセスの各段階に対し、ユーザーのパーセプション、適切なコミュニケーション、リーチするチャネル、ユーザーアクションをマッピングするためのものだ。
レベル0~3はユーザーがブランドを認知、理解する、コミュニケーションにおいて最も重要なレベルである。レベル0のユーザーはブランドはおろか、未だそのニーズさえ感じていない。潜在的なニーズに気付いていないため、検索から直接リーチする事は難しい。PRなどを通じて問題を定義し、ニーズに気付かせる必要がある。レベル1のユーザーはニーズに気づいており、抱えている問題を直接検索している可能性がある。だが、この段階ではまだブランドに結びつけることができない。先ずは問題に対するソリューションをいくつか提案し、ブランドのカテゴリーを検討させる必要がある。レベル2のユーザーは既にソリューションのなかでも最適なブランドを探している。商品カテゴリーを検索しているのでリーチはしやすいが、競合も非常に多い。レベル3のユーザーは特定のブランドを検討しており、ブランド名を検索している可能性が高い。このレベルのユーザーにはベネフィットをしっかりと伝え、購入検討のレベルへと進める。
多くのブランドサイトはレベル3からスタートしている。ブランド名を検索したユーザーに、ベネフィットを伝え、購入を検討させる。ブランドに十分なアウェアネスが存在し、それだけで十分なトラフィックを獲得できるのであれば問題はない。しかし、それだけでは新規ビジネスにつながる潜在顧客との接触を実現することはできない。レベル2のカテゴリー検索にリーチを広げることで、未だブランドを検討していなかったユーザーに購入を検討させる事ができる。レベル1のユーザーはレベル2のユーザーに比べてブランドを検討させる事が難しい。そして、レベル0へのコミュニケーションを成功させることは最も困難である。コミュニケーションは、ブランドを既に検討しているレベル3から始め、徐々にレベルを下げていくことを薦める。
レベル4~6はユーザーが購入を検討している段階である。レベル4のユーザーはベネフィットを理解しているが信じておらず、レビューやクレデンシャルなどを提供し、信頼を獲得しなければならない。レベル5のユーザーはベネフィットを信じてはいるが、かかるコスト(金銭的な支出だけでなく、手間や時間も含む)以上のバリューを感じてい。付加価値を提供しバリューを高め、コストの感覚を下げるコミュニケーションを行う。レベル6のユーザーは購入に十分なバリューを感じているため、購入できるチャネルへと速やかに誘導する必要がある。オンラインで購入できない商品でも、クーポンや製品情報をモバイルに送信させるなどのアクションがとれる。
レベル7~9は購入後の体験である。レベル7のユーザーは購入をしたものの、未だ期待を超える体験をしていない。コミュニケーションでクレームしたベネフィット以上のことを体験することができれば、ユーザーはそれを伝えたくなる。商品、パッケージや、購入後のCRMを通じて、ユーザーの期待を超えたサービスやベネフィットを提供しよう。レベル8のユーザーはその体験を誰かに共有したいと思っている。レビューやソーシャルメディアへの投稿、知人への推薦などを行なってもらおう。レベル9は既にブランドを誰かに推薦したアドボケイトであり、長期的な関係を構築したい相手だ。更に商品を売りつけるのではなく、向こうが求めるバリューを提供しよう。ユーザーが自主的にエンゲージメントを行なってくれるためのコンテンツやインセンティブを見つけ、メールやソーシャルメディアを通じて継続的に提供する。
UXマップの各レベルでユーザーに行ってもらいたいアクションが明確になれば、その個別のアクションを達成するために最適なウェブページやアプリケーションなどのデザインを行うことができ、そのパフォーマンスを測定する事ができる。複雑なユーザーエクスペリエンスを細分化することによって、対応可能な目標へと変化させるのだ。







