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ネット(WEB)への過剰な期待

April 28, 2009 5:37 PM

少し前に広告のCDをやっている方とお話をさせて頂きました。私は広告の仕事をやる事が少ないので、第一線で活躍して方がWEBに対してどんな意識を持っているのかは興味がありました。一時間ほどのお話の中で印象に残った言葉は「ネットへの過剰な期待」でした。クライアントも、広告代理店も、マス広告の限界を感じ、ネット(WEB)に過剰な期待を寄せているとの事です。しかし、WEBは情報の発信という意味ではマス広告に比べて極めて非力です。確かにWEBで山火事のように情報が広まる事もありますが、その起点には必ずと言っていいほど他のメディア(大体テレビ)が存在します。多くの場合、代理店や広告主にとってWEBの魅力は理解できる効果ではなく、低いコストとプレゼンテーションのし易さなのかもしれません。

・WEBってこんなもの


そんな話をしているといつも↑↑このスライド↑↑を思い出します。発信するメディアとしては雑誌にも及ばない事が多い。そんなWEBにTVCMのような"ダイナミズム"を期待されても正直厳しいのです。しかし、このスライドにあるとおり、やり方次第でコミュニケーションのクオリティはセールストークに匹敵します。ニーズを持った消費者を見つけ出し、数万人に対して個々に営業をかけることがWEBの一つの力なのではないでしょうか?

・需要と最適化
WEBの仕事は需要ありきだと思います。直接的なニーズが無い場合は間接的なものを見つけ出し、活用します。マス広告のように新しい需要を作り出す事はあまりありませんが、ニーズさえあれば顧客を簡単に見つけ出す事ができます。元々買うであろう人に、欲しい商品を提供する。あまり面白く聞こえないかもしれませんが、効率的なこのプロセス(広がりも含め)をいかに最適化するかがWEBのマーケティングであり、プロモーション方法だと思います。最近ではデジタルサイネージやFelica等を活用し、売り場からモバイルへと引き込むような「売場やパッケージのメディア化」も進んでおり、消費者の購買行動は更に複雑化しています。仕組みの面白さはもちろんですが、広告の投資はより費用対効果の高いオルタナティブに流れるのが当たり前。しばらくは広告効果の最適化に向かって極端に市場が動いていくと感じています。

・マス広告との共存・相乗効果
しかし、WEBがマス広告に置き換わる事はありません。現時点では両方とも購買動機付けの中で重要な役割を果たしています。マス広告が大量の購買に不可欠なのは当たり前ですが、WEBも、購買プロセスの各段階での離脱を防ぎ、広告効果を測定・最適化するというもはや不可欠な機能を持ってます。しかし、オプトインという意味でもマス広告の助けを必要としないWEBプロモーションも多く存在します。そこに費用対効果を求めると自然と広告もマスから行動ターゲティングへとシフトして行きます。不況で大きく減少したマス広告ですが、行動ターゲティングという考え方がモバイルやOOH(最終的にはテレビ?)に溢れ始めると更なる減少に直面するでしょう。

・過剰な期待と安易な期待
マス広告の効果と需要が減少する中、WEBには何が期待されているのでしょう?今まで通りのやり方で需要を生み出せる新たなメディア?今まで通りに作れ、売れる広告商品?残念ながらその期待に応えられる事はありません。何故、従来の手法で打たれる広告の効果が減少し、今まで通りでは通用しなくなり始めたのか?それにはWEBがこの数年でどれほどの社会インフラとなり、一般消費者にどれだけの(企業発信でない)情報を与えたかを理解する必要があるでしょう。

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ABOUT

FICC inc. 代表取締役社長 荻野英希。国内外でのデザイナー、アートディレクターとしての勤務を経て、2004年にFICCを設立。外資系ブランドのWEBコンテンツの企画、制作、運営、マーケティングから戦略的なプロモーションまで、総合的なプロデュースを手がける。

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