≪ June 2009 | August 2009 ≫
July 3, 2009 9:49 AM

2週間ほど前にある大学教授の方からセカイカメラを開発した井口尊仁さんをご紹介いただきました。その時点で私にはあまり拡張現実についての知識が無く、せいぜい商用利用についてのアイディアや企画を求められているのかと思っていました。お話ししてから話の規模を理解するまでに一時間ほどかかりましたが、セカイカメラやSixth Sense、PTAMの登場で世の中がどのように変わるのか、または変わってしまうのかを認識することができました。
WEBの誕生によってメディアに独占されていた情報が開放され、消費者は検索さえできれば様々な情報に接触する事が出来るようになりました。しかし、これがカメラをかざすだけで見れるようになってしまったら...拡張現実が当たり前な技術、そして社会インフラになる前に考えるべき事はたくさんあります。
そこで拡張現実(AR)空間の公共圏としての定義を示し、起こりうる問題の予測、新しい経済の仕組みなどを創出するためにAR Commonsが発足しました。7月10日には慶應義塾大学三田キャンパスにてキックオフ・シンポジウムも開催されます。
自分がWEBの仕事をしている人間であること、そしてARについて話すだけの知識や言葉が乏しい事から、あまりうまく説明はできないかもしれません。(ARとWEBを比較して考えてしまうとまるでマスメディアとWEBの比較のような表現になってしまいます...)私が考えることはやはり主に商用利用です。どのようなプラットフォームがあれば、企業に利用されやすくなるか?どんな問題が出てくるか?大半のブランドはCGMに手を出す時にネガティブな口コミを恐れます。自社のサイトにネガティブな事が書かれて間違った対応で炎上でもしたら...など。ARはそれ以上に恐いかもしれません。でもいずれ手を出さなければいけないモノにもなると思います。
思いつく問題点としてはAR空間が生まれて間もなく、コンテンツも何も無いのに、WEBによって進化したツールとエンドユーザーの高いリテラシーによってアクセスされるという事です。コメントとコンテンツの境界線は無く、セカイカメラの公開時には一斉に一つのプラットフォームで投稿が開始されます。ARは幾つもの次元をチャネルに分けて重ねる事が可能なので(異なるWEBサービスのようなイメージ)、何をどうやって管理していくのか?そもそも私有の空間のAR空間は公共という考えで良いのか?(今後、エアタグを禁止する標識なんかも商用施設に登場するかもしれません。)また、公式情報をリリースするための有料モデル、ブラウザの共通フォーマット、W3Cのような機関も必要になってくるでしょう。
一つのトピックに対して少し考えただけで大変な問題が山積みですが、技術は待ってくれません。セカイカメラは今月末に公開されます。
July 3, 2009 7:52 AM
昨日、とても参考になる記事を読みました。「Saying No in Less Than 60 Seconds」 ベンチャーキャピタリストが自分の時間を有効に使うために、毎日の中で素早く「断る」事が重要であるかという記事です。 私はVCではありませんが、人に対して自分の時間を投資する事で継続的なリターンを得るために相手を見極める必要があります。その点は一緒です。残念ながら私は頼みごとを断ることがあまり上手ではありません。いきなり断る事が相手に失礼になると感じてしまうのです。しかし、話を聞いて時間が経てば経つほどより一層「ノー」と言いにくくなります。最初から答えが「ノー」であると感じていれば、できるだけ早く(丁重に)「ノー」と言うべきなのです。
私は仕事は選ばれるものだと思います。そのため、誰かににノウハウやサービスを求められればそれにすぐに応えるよう心掛けています。しかし、知的財産への対価を支払うこと抵抗を感じる方々もいます。そして、最近では私にすべての要望に応える時間は無くなってしまいました。最低限、自分に利益や興味がある事に対して、自身の時間と行動を最適化する必要があるのです。そこで「興味や利益を見いだせない案件には60秒以内にノーと言う」、そして「興味や利益が明確な案件に最大限の時間を使う」というこの記事を読んで断る事の重要性を痛感しました。
July 2, 2009 6:36 PM

84%の消費者は社会的責任を果たす企業にポジティブなイメージを持ち、66%の消費者は自身が関心を持つコーズ(主義、目標、理想,大儀)をサポートするブランドへとスイッチします。社会責任を果たすことが売り上げにつながり、顧客との関係を強化させる事は間違いありません。では社会責任を果たしていない事が知られてしまうと、企業にはどのような影響があるのでしょうか?
社会的責任を果たさない企業に対して、40%の消費者がネガティブなコメントを発し、17%が購買を拒否します。大半の消費者は企業に対する印象を社会貢献度でを決めてしまうため、たった一つの報道も命取りになりかねません。CSRへの関心が高まれば高まるほど社会貢献度の低い(又は低いと思われている)企業に対する風当たりは強くなります。
6月22日に排除措置命令を受けたコンビニはどうでしょう?ニュース番組の報道から定価販売の強制、食品の大量廃棄、フランチャイズオーナーの苦悩、法外なロイヤリティ、税金を投入したバイオマス工場の閉鎖などたくさんの問題が明るみになってしまいました。これでは今までの社会・環境への取り組みの全てが説得力を失うばかりか、莫大な広告費も無駄になりかねません。今はCMも見なくなったので、出稿を(特にこの問題を最初に報道したテレビ東京からは)控えている事でしょう。
CSRの活動は企業の社会貢献を消費者へ広めるだけでなく、利益を追求する反社会的なイメージを消費者に持たせないリスクマネージメントとして実際の業務の監視、改善という経営の内部まで入り込んでいくべきなのでしょうか?セブンイレブンはグループの利益の75%を稼ぎ出す、この不況の時代には通用しないビジネスモデルなのかもしれません。しかしその膨大な利益を加盟店や地域社会へと還元すれば、まだまだ通用するような気もします。セブンイレブンはフラインチャイズオーナーに「見切り販売は中期的に不利益だ」と説明するよりは、株主に対して「ビジネスモデルを維持するためには加盟店への還元が必要だ」、と説明するべきではないでしょうか?
July 2, 2009 12:32 PM
私達は数年前まで主にクリエイティブな先進性を求めるラグジュアリーブランドばかりの仕事をしていました。そして、当時のコンシューマーブランドのWEBの仕事は大変固く、面白みに欠けている印象をもっていました。しかし、最近ではそれは逆転し、面白いコンシューマーブランド(特にコモディティ)の仕事が大変多くなりました。
現在、高級商材を扱うブランドの多くはクリエイティブに投資する余裕はあまりなく、目先の確かな販促ばかりを細かく行っているように見えます。クリエイティブももちろんビジネスです。仕事の質から良い人材の大半はコンシューマーマーケットへと流れ、イメージで消費者をつなぎとめていたラグジュアリーブランドは徐々に目立たなくなります。消費者の世代が交代するとともにそのようなブランドへの理解も薄れ、ニーズも減るでしょう。そして消費者は手に届くコンシューマーブランドのイメージの向上により、ラグジュアリーの必要性すら感じなくなるのかもしれません。
実際、コモディティだけでなく、ガールズカルチャーや、ファストファッションなど、最近までイメージに本格的な投資を行ってこなかったたくさんのコンシューマーブランドによって優秀なクリエーターが独占されているように感じます。そして彼らの仕事に憧れる消費者や若いクリエーターはコンシューマーブランド自体に憧れ、投資を行うようになるのです。経済状況によってクリエイティブの力はシフトし、文化が形成されます。その文化からは新しい経済の仕組みも誕生し、進化のようなプロセスが繰り広げられるのです。コンシューマーブランドがハイエンド化し、ラグジュアリーブランドが大衆化する。今起きている進化はとても面白いものだと思います。