≪ November 2009 | January 2010 ≫
December 26, 2009 1:22 AM
ソーシャルメディアリサーチを始めてブログが予想以上に広告で汚染されていると実感しました(結果ブログ記事はあまりリサーチに含めていません)。なんだか商品を紹介する記事は全て広告に見えてしまいます。実際、ブログプロモーションを行う企業は現在2,000以上と言われ、日本国内の200万件ほどのアクティブなブログの大半がなんらかの広告を掲載しています。消費者の口コミを装い、報酬や商品の無償提供を受けて書かれた記事は広告であると明示しなければアメリカでは高額な罰金が科さられるほど。ブログを通じて発信される広告は徐々にその居場所を失いつつあるように思います。
私たちもブロガーを巻き込んだプロモーションを行ってきましたが、規格にはブロガーの「自主的」な参加を重視してきました。消費者を欺く広告に効果は無いと思うと同時に、信頼される消費者発信広告の在り方を模索し続けていました。しかし、今ではその需要自体も減ってきたようと思います。
考えてみればこれは広告の進化(衰退?)なのでしょう。企業がメディアから直接消費者に語りかける純広告から、コンテンツ内に編集された記事広告やアドバトリアル、PR、そして消費者同士が広告を行うCGA(消費者発信広告)へ。この流れを見る限り、次の広告の形は無いように思えます。CGAが最後の広告の形だとしたら、もう少し大切に扱うべきだったのかもしれません。
消費を左右する消費者間の情報から広告が排除され、企業とのコミュニケーションは消費者側が主導権を握るようになりつつあります。広告という形で消費者とのつながりを「買っていた」企業は一方的な発信からは対照的に消費者とエンゲージする事が求められるようになるでしょう。総務省の情報流通センサスにもあるように、今や流通情報量は消費可能な情報量を大きく上回っています。流通情報量の増加に伴い起床時間のメディア接触時間は奪われ、消費者は広告に対し消極的になります。積極的に情報を求める必要は無く、他の消費者からフィードされる情報を取捨選択するだけで十分になってしまうのです。
アメリカではほとんどの企業が既にこの問題に直面し、FacebookやTwitterに積極的に参入しています。日本でも企業のソーシャルメディアプレゼンスが売上を左右する時代はそう遠くはないかもしれません。
December 26, 2009 12:44 AM
「スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど消費者が日常的に販売機会に接するマスプロダクトに対してCRMはどれほど有効だろうか?」そんな疑問を最近抱き始めました。リピート購入に対するモティベーションは主にその商品をトライアルし、その内容に良い印象を持っている事から発生します(少なくとも私自身は)。購入機会が日常的に高い頻度で存在する場合、リマインダは効果がありません。購買経験から商品の特徴や機能に対する良い印象、又は「お得」であるという理由以外で消費者はリピート購入はしないでしょう。
マスプロダクトの場合はむしろシェアの限界点まで新規のトライアル獲得を促進させる事が重要なのではないか?キャンペーンやプロモーションのターゲットやスキームを常に変更し、出来るだけ多くの人と新規接触する事に集中するべきではないのか?などと思い始めました。
しかし、マスプロダクトに対してCRMが必要無い訳でもありません。キャンペーンや新商品などを告知するにはメルマガは非常に効率的なツールです。また、アンケートにより消費者の属性を知ることができます(購買経験、購買・非購買理由、推薦意欲など)。ヘビーユーザーで推薦者であるユーザーに共通する購買トリガーは何か?非購買ユーザーで批判者に共通する購買バリアは何か?ソーシャルメディアリサーチの結果をベースにアンケートを行うことで、より詳細に消費者を知る事が可能になります。
また、消費者のソーシャルテクノグラフィクス(ソーシャルメディアとの関わり方)を測定する事で、プロモーションに活用できるユーザーを抽出する事も可能です。ソーシャルメディアが消費者の主な情報源となり、起床時間を大部分を独占するようになるにつれ、影響力を持つユーザーとの関係構築は企業にとって極めて重要な課題になりつつあります。
独占的なシェアを持つ商品以外ではマスプロダクトのCRMは限られたWebのリーチから微量なリピート購入率の増加を期待するのではなく、告知やマーケティングリサーチのコストダウン、そしてインフルエンサーとの関係構築に集中するべきではないでしょうか?もちろん対象となる商品にもよるとは思いますが、販売効果を最大化するにはその商品と販売環境について正しく理解する必要があります。
December 26, 2009 12:03 AM
売上を伸ばすためには消費者の声は欠かせません。提供する商品に対し、何が購買、又は非購買の理由となっているのか?直接的な自己申告のアンケートでは消費者の本音を知る事はなかなか出来ません。しかしソーシャルメディアにはそのような消費者の本音の記録が残っています。ブログは今や広告で埋め尽くされてしまいましたが、SNS、掲示板、ソーシャルQ&A、ソーシャルブックマーク、ECサイトや口コミサイトのレビューなどには未だ貴重なインサイトが溢れています。
現在では様々なソーシャルメディア解析ツールが出回っています。特定のキーワードに対する投稿を収集し、内容を分析するというものですが、私はこのようなツールで消費者のインサイトを分析する事に大した意味は無いと感じています。一つ一つのコメントを自身で読み、そのコメントが購買、又は非購買に影響しているか?その理由は何か?そしてトリガー(購買理由)やバリア(非購買理由)に共通するトレンドは何か?ソーシャルメディアリサーチを活かすにはそのような洞察が重要なのです。一見単純なコメントに見えても、他のコメントと照らし合わせることで商品やブランドの売上を大きく左右する重要なインサイトを読み取る鍵になるかもしれません。
まずは様々なソーシャルメディアから消費者のコメントを収集します。各サービスが提供する検索やNAVERなどを活用すると良いでしょう。ポジティブなコメントを購買に良い影響を与えたと思われるトリガー別に分類し、コメントの数でトリガーをランキングします。円グラフなどにしても良いでしょう。これにより、主な購入理由を知る事で、どのようなニーズに対するソリューションとして商品をアピールするべきかが分かります。消費者とはトリガーを通じてコミュニケーションを取るべきなのです。
同じく、ネガティブなコメントをバリア別に分類します。消費者は何故、非購買意思を表明するのか?コミュニケーション不足が原因で不要な購買バリアを作っていないか?購買の障害となる理由をコミュニケーションにより払拭できないか?主な非購買理由を知る事でどのようなコンテンツでコミュニケーションを行うべきかが見えてきます。
狙うべきニーズと、伝えるべきコンテンツさえ分かれば、良いウェブサイトは作ることが出来ます。
「モノを売る」WEBサイトにとってソーシャルメディアリサーチは欠かせないもの。仮説を立てる前に先ず行うべきなのです。