Webプロデュースに役立つ10のツール、2010年版 | ブランドの崩壊

何故今、マーケティング的思考が重視されるのか

February 26, 2010 1:50 AM

オンラインでのコミュニケーションは企業と消費者の関わり方を大きく変えました。メディアを通じた広告的かつ一方的なコミュニケーションはその効果や必要性を失い、多くの企業はより費用対効果の高い直接的なコミュニケーションへとシフトしています。消費者と効率良くコミュニケーションを行うために企業は今までより詳しく市場に耳を傾け、消費者が求めるものを熟知する必要があります。何故、このようなマーケティング的な思考が大幅に重視されるようになったのでしょうか?

情報と力を得た消費者
マスメディアという限られたチャネルから企業から発信される情報を受けてきた従来の消費者はコミュニケーション上「点」でしかありませんでした。この頃、企業には「どのようなメッセージを発信するか」という事しか求められず、「どのように発信するか」はメディアに委ねられていました。消費者はお互いに大した影響を及ぼすことも無く、単純な接触と一方的なコミュニケーションだけで購買の判断を行っていたのです。

今の消費者はインターネットを通じてネットワーク化し、自ら情報を発信・共有することでお互いの購買意識へ影響を及ぼします。もちろんこのような消費者間の情報共有は企業の活動へ大きな影響を与えます。オンラインでは消費者が発言力を持つことで企業との関係がイコールとなり、企業は市場優位性を保つために発信だけでなく、消費者からの情報を積極的に受信する事が求められるようになりました。

しかし、消費者の声を聞くためには一定の企業側の努力が必要です。ブランド、商品、又は従来の広告的なコミュニケーションに対する消費者の意識や意見を拾い集め、何が求められているかを分析する必要があります。また、市場にどのような需要があるのか、その需要にどのような傾向があるのかも勿論知るべきです。インターネットが可能にした消費者発信情報の収集、そして消費者との直接的な関係構築は企業にとって重要な経営資源となりつつあります。

また、情報の選択肢が大幅に増えた事により、情報との接触(メディアの選択)はむしろ消費者に主導権が移りました。コミュニケーションのチャネルを選んでもらえなければ接触を行う事すら困難です。企業やメディアは消費者との接触のために「消費者が求める情報」を知り、提供する必要があるのです。インターネットの場合、企業が低コストで自社のメディアを持つ事も可能になりました。そして消費者の情報ニーズに応える事によりターゲットとなる潜在顧客と直接接触出来るようになったのです。

インターネットは企業のコミュニケーション活動を広告的なものから市場のニーズに応えるマーケティング的なものへと急速に変化させています。その手法は日々進化・多様化し、消費者が企業に及ぼす影響力は増加し続けています。私はこれから先、企業の明暗を分けて行くのは「消費者を知る力」だと思っています。せっかくのクリエイティブなメッセージも消費者に選ばれなければ伝わらないのです。

企業は消費者を単なる「客」としてではなく、そのコミュニケーション活動を受け入れ、援助する「ビジネスパートナー」として、その声に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。

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ABOUT

FICC inc. 代表取締役社長 荻野英希。国内外でのデザイナー、アートディレクターとしての勤務を経て、2004年にFICCを設立。外資系ブランドのWEBコンテンツの企画、制作、運営、マーケティングから戦略的なプロモーションまで、総合的なプロデュースを手がける。

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