April 9, 2009 3:05 PM
ヤフーがテレビメーカーや機種を問わず閲覧できるにテレビ版Yahoo! Japanを公開しました。その次の日はGyaoの子会社化を発表。テレビでのインターネット利用が大きく一般化に向けて前進しそうな気がします。VIERAでもYouTubeが見れるなど、「テレビのテレビ番組離れ」みたいな現象が起きている気がします。先進機能という付加価値で買い替えを促進させようと必死なメーカーはどれだけTVでのネット利用を真剣に考えているのでしょうか?
・慣れ親しんだインターフェース
インターネットアクオスなんかはリモコンにタッチパッドを加えるなどして、TVのインターネット端末としてのユーザビリティを十分に検証している気がします。最も注目した点は12キーに文字入力機能が備わっているところ。日本人の大半が使用できる文字入力インターフェースをリモコンに搭載する事で、キーボードを不要としています。
これを本当にケータイと同じインターフェースにしないのは何故でしょう?12キーの上に十字キー(ニューロポインタも?)という誰もが慣れ親しんだ形にすれば、普及もしやすくなるのでは?また、地デジのチャンネル構成であれば12キーではなく10キーでよいでしょう。「#」や「*」の代わりに「@」や「.」があれば更に使いやすくなりますね。@や.は1でしたね...失礼。
そんなリモコンがあればTVでWebを見る事に違和感が無くなるような気がします。
April 7, 2009 6:50 PM
消費者の購買行動の各ステップの間には「面倒(ストレス)」という幾つもの小さなハードルがあります。広告や販促活動はインセンティブやメリットを伝えることで消費者の重い腰を動かし、ハードルを乗り越えさせ、購買へと誘導しているのです。買いに行くのが面倒、選ぶのが面倒。そんな一つ一つの面倒を把握、分析できなければ購買行動の導線を最適化する事は出来ません。
Webサイトでユーザーが最も頻繁に遭遇する面倒なハードルはフォーム入力です。唯でさえ個人情報の提供をよく思っている消費者は少ないのに、その行動自体が面倒であるがために企業は色々なインセンティブを消費者に提供します。誘因を使ってフォームへとユーザーを引き込む事も重要ですが、そのストレスをユーザーに意識させない事も重要なのでは無いでしょうか?フォームを前に離脱してしまうユーザーは何を感じて、何故離脱してしまうのか?そこにはマウスからキーボードへの操作方法の切り替えという「面倒」があるのだと思います。そんなに面倒な事には聞こえないかもしれませんが、人間は一人でいる時、この「面倒」に非常に左右されやすい生き物です。特にクリックやページ遷移という小さなアクションは無意識のうちに影響を受けてしまいます。
・体勢の変化
通常、Webサイトは閲覧にキーボードを必要とせず、マウスの操作のみで大体のコンテンツが閲覧できるはずです。その際、ユーザーはキーボードを操作しないので前傾姿勢である必要すらありません。もし椅子に座って背を凭れながら閲覧をしている場合、キーボード操作の為に体を起こさなければいけません。また、今まで片手で済んでいた作業が両手に切り替わることも脳にとっては面倒な話でしょう。マウスからキーボードへの移行は色々な体勢の変化を必要とし、体にとっても、脳にとっても面倒な事なのです。
・視野の変化
Webを閲覧するユーザーの視線はページ全体を斜めに流れるように動きます。目の動きを細かく制御することは人間にとってストレスであり、面倒な事です。また、フォームの情報はただ流し読みするだけではなく、細かく把握する必要があります。詳細な内容を理解し、正しい情報を入力するために目の動きは必然的に細かくなります。また、ブラインドタッチができないユーザーにとってはキーボードと画面を視点が往復することになります。特に高齢のユーザーにとってこの視野の変化は非常にストレスの多い事だと言えます。
・消極的から積極的
視野の変化でも少し触れましたが、フォームの内容を把握し、正しい内容を記入することはユーザーの意識にも大きな変化をもたらします。Webを閲覧している間は、与えられた選択肢の中から選ぶだけでよかったのですが、フォームでは質問に答えなければいけません。より積極的なインタラクションを必要とするフォームは消極的にWebを閲覧しているユーザーには面倒なものと認識されるでしょう。
入力フォームによって要求されるマウスからキーボードへの操作切り替はユーザーにとってこんなにも面倒なものです。しかし大半のコンバージョンには必要でもあります。ポイントはマウス操作時のユーザーにこのストレスを事前に感じさせないということでしょう。
マウスからキーボードへの移行は無意識にユーザーにストレスを感じさせるものですが、必要に迫られれば大した事ではないという事を理解する必要があります。
March 15, 2009 7:09 PM
ソウルよりパリに到着し、時差ぼけで朝5時に目が覚めてしまいました。ヨーロッパの日曜日は何も開いておらず、する事がありません。パリには広告撮影の現場監督として来ている訳ですが、今日ばかりは機材の手配もできませんし、モデルの事務所も開いていません。ましてや今週はパリコレ後の初の日曜日。みなさん一ヶ月以上も休み無しで働いていたわけですから、私とのミーティングなんかいい迷惑です。
そんな朝は絶好の読書のチャンス。ホテルのレストランが予想以上にカッコよかったのでゆっくり2時間ほどかけて朝食を摂りながら、以前から気になっていたBebitさんのユーザビリティの本を読みました。ユーザビリティとはいっても話はディテールだけではなく、より広いスコープの話。詳しい内容は是非読んでほしいので書きませんが、自分なりに思ったことを少しだけ書かせていただきます。

・ユーザビリティテストと小規模サイトのパターン化の必要性
制作を行ううえでユーザーを理解することはクライアントのビジネスを理解する事と共に必要不可欠。しかし、リテラシーやニーズの異なるユーザーの心理を製作者が理解することは大変困難なことです。勘や経験則に頼らず、ウェブを起点としたユーザー体験(User Experience)全体をユーザー視点で設計するためには制作フローの中にプロトタイピングと実ユーザーの検証を取り入れる必要があります。小規模サイトの場合、正直生産性という面でユーザビリティテストを取り入れるのは困難な場合がほとんどです。しかし、キャンペーンものなどの小規模サイトはある程度パターン化をする事が可能だと思います。一つの案件でフルにユーザビリティ検証を行う事ができなければ、同じパターンのケースを積み重ね、検証していく事が重要でしょう。
・何がユーザーの常識を作っていくのか
ここ数年で一般ユーザーを対象とするユーザビリティテストの結果は徐々に変わってきたと思います。一般層に多くのWEBサービスが受け入れられ、WEBのリテラシーが向上するにつれ、WEBサイトの操作性に対する「常識」というものが生まれます。誰が決めたわけではないのにユーザーはWEB全般に対し「こうあるべきだ」と思う訳です。標準化されたルールは無く、より多くのユーザーを獲得したサービスが持つインターフェースが当たり前のものになって行きます。もちろん、その優れたデザイン性から選ばれるUIもありますが、どちらかというとサービスの内容がその「常識」を作るのではないかと思います。
その他、ユーザーニーズとビジネスニーズをマッチングさせ、バランスをとる要件定義の方法や、他メディア、チャネルを含んだ総合的なユーザー体験の設計方法、ユーザー心理を目的に合わせて変化させるコンテンツの考え方など色々な知識がまとまっています。良書です、是非読んでみてください。
その後、少し散歩をしたのですが、やはり何も開いていません...見れるものといえば閉じたお店のディスプレイくらい。下の写真はお求め安い価格の子供服で有名なプチバトー。大人の写真をランダムに並べて名前と月例(年齢ではなく)を記載ししています。二十歳の男性は「サイモン、240ヶ月」と表記されていますね。もう一枚の写真は昔から変わらないJEAN PATOUのディスプレイ(前にも書いたかもしれません)。一枚のアクリルを切っただけのシンプルな物ですが、とても好きなウィンドウです。
February 2, 2009 9:37 AM
300億のボタンという記事(English version here)を読んでから真剣にユーザビリティを見直そうと思いました。WEBでは単に「使いやすい」という事ではなく、その成果を左右するもの。いくら良い集客企画を立てても、WEBサイトのユーザビリティが低くては理想のコンバージョンを獲得する事はできません。300億のボタンの例もキャンペーン告知用のHTMLメール等ではCTRを間違いなく向上させると思いました。
・ユーザーの慣れ
ユーザビリティを考える上で「ユーザーの慣れ」を理解することが重要でしょう。対象となるユーザー層のリテラシーにもよると思いますが、多かれ少なかれWEBサイトの機能や形式に対してユーザーの慣れは存在します。何らかの共通したフォーマットや、最低限の機能性に対する期待。慣れに応えない事はユーザーの離脱を招きます。コンバージョンまでの導線上でユーザーに余計な手数を踏ませていないか?迷わせていないか?設計とデザインを行う際にはユーザーの障壁となる全ての要素を取り除く事を心がけましょう。
・ユーザーの誘導
ユーザビリティの向上は単にハードルを無くし、離脱率を減らす最適化だけではありません。ユーザーの心理を理解し、強い導線を作るという作業でもあります。300億のボタンが良い例ですが、「次へ」と表記する事でクリックスルーを当り前の動作としてユーザーに伝えることができています。ユーザーを効果的に誘導するためには情報をどの順番で与えるべきかを知り、警戒心を持たせない事が重要です。
・面倒な事への警戒心
WEBサイトを利用する人は様々な警戒心を持っています。もちろん実害のあるフィッシングやワンクリック詐欺等が必要以上にこの警戒心を助長していることもあります。しかし、一番警戒されているのは面倒な情報の打ち込み作業です。何らかのインセンティブを提供されて、個人情報を入力するのは当り前の事であり、どんなユーザーでも慣れています。そして、誰もがその作業と情報提供を「面倒」と感じるのです。オプトインには必須のこの作業をいかに面倒と感じさせないか、これは転換率を左右する非常に大きな問題です。
例えば、私が人通りの多い場所でプラカードを持ち、500円の金券を配ったとします。集まった人たちには金券と引き換えにシートを渡し、個人情報を記入してもらいます。場所にもよるとは思いますが、かなりの集客・転換率を発揮すると思います。これを最初から「お名前・連絡先と引き換えに...」と言って配ったらどうでしょうか?インセンティブを認識する前に「面倒だ」と思う人たちにより集客力はかなり低下するはずです。WEB上では毎日のように何処でも当たり前のように行われているオプトイン施策ですが、その多くが「面倒くさい」と思わせているかもしれません。
・WEBデザイナーはユーザビリティを
ハッキリ言ってWEBデザイナーはユーザビリティオタクであるべきだと思います。デザインのスキルによってどれだけの集客を成果に転換できるか?これはデザイナーの腕にかかっている部分が非常に大きいです。もちろんWEBの設計を行うディレクターも理解しておくべきですが、成功はディテールかかっていると言っても過言ではありません。まずはユーザビリティを好きになることから始めましょう。