WEB事例 | イベント

コンテンツデザインからコミュニケーションデザインへ

July 29, 2009 9:17 AM

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昨日、関橋英作さんのセミナー「既存のメディアは心を動かさない」に参加しました。内容はクリエイティブという仕事が単なるコンテンツのデザインからコミュニケーション自体のデザインにシフトしている(しなければいけない)という事。とても自然で楽しいトーンでしたが、日本の広告業界の今後に警鐘を鳴らす内容でした。私自身の視点から、セミナーの内容を少しまとめさせていただきます。

変わってきたカンヌ
カンヌは広告のクリエイティブコンテスト。メディアに乗せるコンテンツがどれだけ面白いか、という事を競う場です。しかし、そんなカンヌも最近変わりつつあり、メディアの新たな活用方法や話題性、実際に効果が認められた作品などが評価され始めました。評価のポイントが内容の面白さから、どのように社会に密接なつながりを生んだか、という方向へシフトし始めたのです。

広告は「個」告へ
インターネットの普及により、一般消費者はマスメディアに左右されない情報源を得ました。情報源としてのマスメディアの価値が大きく低下し、テレビ、新聞離れが進みます。個に対する娯楽が多様化し、様々なコミュニケーションツールの開発により、人と人の間のコミュニケーションが希薄化しました。家族単位ではなく個人単位の消費が経済を支え、複数台のパソコン、テレビなどから、子供を中心に「家族から個人への原子化」が進みます。

閉塞した「個」の社会
大半の日本人は同調性を重視する教育を受けています。他人の評価を常に意識し、孤立した若者は「便所飯」というような異常な現象にまで追い込まれ始めます。そんな社会の中で人々の価値観は変わります。つながりを求めたり、人の役にたちたいなど、精神的な充足を求めるようになりました。広告に携わる人間はこのような社会的な変化をいち早く感じ取り、新しく産まれる需要を満たさなければいけません。

メディア・ニュートラルから新たなメディアの創出
「個」の情緒に対し、広告は何をするべきでしょうか?もはやマスメディアの力は失われ、消費者のつながりを作る事はできません。技術的にどのようにメディアを選択し、彼らにコンタクトを試みるか、という話ではなく、メディア・ニュートラルに立ち返りましょう。改めて、その人に何をどうやって伝えれば効果的なのか、という根本的な点から考え直します。

人の周りは全てメディアになります。その人が接触するモノ、人、全てがメディアです。個にリーチできるメディアが存在しないのであれば作るまでです。新しいコミュニケーションをデザインするしかありません。

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キットメールについて
受験キャンペーンを定期的に行ってきたネスレはその手法のルーティン化と受験マーケットのレッドオーシャン化に悩まされます。ターゲット層の広がりが進まず、コンビニなどの棚の確保に対する競争も激化していました。更に少子化や潜在受験生の減少によりシェアを守ることさえも困難な状況だったようです。

キットメールの最終的な目的は消費者に「好き」という特別な感情を持ってもらう事でした。商品は機能やアウェアネスの向上だけでは売れません。何らかの理由で「好き」と思ってもらわなければ買ってはもらえないのです。そこで第三者を通じたコミュニケーションを発信する事でブランドを好きになってもらうアイディアが生まれました。第三者の「応援」という気持ちを商品やブランドに重ねることで消費者に好意を抱かせるのです。

応援メッセージを添えて、チョコレートを箱ごと受験生に送る商品を開発し、全国20,000箇所の郵便局で販売を行いました。郵便局には民営化が騒がれていてメディア性があっただけでなく、受験生の親というターゲット層が日常的に訪れる場所でもあり、受験マーケティングを行う菓子製品の販売店としては全く競争が無い市場になりました。ブルーオーシャンを切り開いたキットメールは驚異的な販売数を記録し、郵便局での継続的な販売を実現します。商品に新たな付加価値を与えることで商品カテゴリーを見事に超える事ができたのです。

その他にも受験生が無料で乗れる「きっとサクラサクタクシー」や「サクラサクトレイン」、「サクラサク商店街」、価格に上乗せした10円を夕張市に寄付するコーズリレーテッドマーケティングなど様々な施策を通じてキットカットは「応援するブランド」として85%の受験生の親に認知されました。結果、顧客との長いサイクルでの接触が実現し、長期的かつ広い販売が実現した事は言うまでもありません。

時代にマッチしたプロモーション
手書きの手紙という人と人のつながりや温かみを思い出させるという戦略は、今の社会に見事にマッチしました。応援する側も、される側も精神的な充足感に満たされ、商品に好意を抱きます。公共のチャネルと消費者化のコミュニケーションをメディア化したことで、広告として受け取られる事は無く、「心を贈る」という人間の最も根本的なニーズに応える事が出来たのです。

キットメールの功績はカンヌのグランプリ、商品・販促・広告を融合した画期的な試み、53万件のブログ記事、驚異的な売上などたくさんあるでしょう。しかし、何より大きな功績は手書きのメッセージに励まされた学生と、メッセージを送る事で満たされた送り主たちへ与えた精神的な充足です。人と人とのコミュニケーションをデザインするという事は「何を伝える事で、何を感じてもらいたいか」という事から始まるのかもしれません。

ChantecailleとMauboussinのコラボキャンペーン

March 25, 2009 9:20 AM

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ジュエリーのブランド(モーブッサン)がコスメブランド(シャンテカイユ)のメーリングリストへ旗艦店オープンの告知と割引のプロモーション。商品10%引きと$150相当のスパクーポンがもらえるそうです。導線の作り方次第ではもう少しうまくできそうですね。コスメを買った(又は来店した?)お客様にジュエリーの割引クーポンを贈るとか。ジュエリーブランド側にCRMにつなげる機会があればなお良いと思います。ジュエリーもファッションも苦しい時代ですから、コスメブランドに乗っかるのは賢い選択だと思います。

Numero 100

March 17, 2009 8:54 PM

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撮影は待ち時間が多いものです。今日もモデルのヘアメイクにざっと4時間。1枚目を撮り終える前に昼食の時間になってしまいます。待合で見ていたNumeroの100号が面白かったのでシェア。100号の特集はファッションデザイナーが編集長Babet Dijanにダブルページを贈るという企画。広告と混ざって自由なページがたくさんあって楽しい一冊です。

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GUCCIは100とモノグラムを組み合わせたStill Life

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John Gallianoはクリエイティブなワークを感じさせるコラージュ

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Karl Lagerfeldは自身が撮ったBabeth Dijanのポートレート100枚に愛を込めて

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PRADAはかなり無難な感じ。

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ABSOLUTEは純広でちゃっかり便乗してました。おもしろいです。

交通広告とHowtoコンテンツ

March 13, 2009 3:09 PM

日本人は世界で一番広告をみている人種でしょう。東京に住んでいると一日6,000回も広告を見るそうです。同時に広告に最も免疫がある人種でもあると思います。今では個人の日記さえ広告になっている時代ですから。そんな中、広告で溢れる朝の通勤電車で目を引く広告がいくつかあります。上の映像が一つの例ですが、ビールの上手な注ぎ方と楽しみ方。毎日、身近に実践できる可能性があるのでつい見てしまいます。このように「実用的な情報」を提供し、広告を見てもらう手法はWebには多く見られます。しかし安価な映像媒体の普及により、交通広告のようなより一般的な場所に現れ始めています。

Panasonicなんかは実際の製品とは直接関係無いコンテンツでブランドを訴求しています。
パナソニック ビューティマガジン | Panasonic
購買に向けた下心が見えにくいほど、消費者はブランドへ好感を持ちやすくなるものです。コンテンツの最後には「男性の方もお試しください」という抜かりの無さ。すばらしいコンテンツだと思います。

多くの人にとってインターネットはコミュニケーションツールであり、情報源です。実生活に役立つ有益な情報を提供してこそユーザーの心を掴む事ができるのです。ターゲットユーザーとしている人間がどのようなコンテンツを求めているか?どういった情報コンテンツを通じて商品価値を伝える事ができるのか?そんな所に良いプロモーション企画があったりします。

コンビニの導線がおもしろい

March 13, 2009 2:37 PM

ランチタイムなどに何気なく立ち寄るコンビ二。利用者にとっては安く、便利な外食のオルタナティブですが、メーカー側にとっては巨大な販売チャネルでありメディアです。今度東京ガールズコレクションが自販機の次にコンビニでロゴ入りのおにぎりを出すと聞いて、最初は違和感を感じましたが注意深くコンビニを見てみると一番良い選択かもしれません。単に売れる商材というだけでなくもっとも顧客接触時間が長いアイテムなんだと思います。

・コンビニの構造と主菜・副菜
大体のコンビ二は主菜・副菜(おにぎり、サンドイッチ、お弁当、サラダ等)のエリアに客が滞留できる面積をとっています。客は入店後真っ先にこのエリアを訪れ、自分が何を食べたいかを選びます。特に女性はカロリーの低いものから検討を始め、カロリー、価格、味・おいしさを比較しながら時間をかけて選ぶようです。コンビニの中で商品を検討する時間がも最も長いこのエリアは必然的に面積が広いのでしょう。

多くの客は主菜・副菜を選んだ後、デザート、飲み物を手に取ります。しかし、これらのエリアは通路としての役割も果たしているため、検討に時間がかけられません。短かい時間で目に入り、手にとってもらうための工夫が必要です。飲料のオンパックのおまけなどが成功しやすいのもこれが理由でしょう。

・いかに選択肢に入るか
コンビニで販売している飲料、デザートなどの製品のプロモーションを行う際は消費者にいかに主菜・副菜を検討するタイミングで選択肢を受け入れてもらえるかが重要なポイントだと思います。特に女性が長時間、カロリーを気にしながら商品を選ぶ点は購買につなげやすいはずです。

あまりWEBとは関係なかったですが、ページ毎の滞在時間の分析やランディングページからの転換なんかにも応用できる考えかただと思います。

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ABOUT

FICC inc. 代表取締役社長 荻野英希。国内外でのデザイナー、アートディレクターとしての勤務を経て、2004年にFICCを設立。外資系ブランドのWEBコンテンツの企画、制作、運営、マーケティングから戦略的なプロモーションまで、総合的なプロデュースを手がける。

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WEB DESIGN WORKSHOP 「正しいウェブデザイン」

デザイナーに向けたWEB雑誌、『WEB+DESIGN STAGE』にて、『WEB DESIGN WORKSHOP「正しいウェブデザイン」』を掲載執筆中。戦略的なウェブプロモーションのプロセスを紹介します。