June 11, 2009 6:14 PM
最近はアマゾン以外で本を買うことがなくなりました。レビューが見れなければお金と時間を投資するリスクを感じてしまうのです。結果、Amazonプライムの翌日配送などもとても魅力的に感じてしまい、店頭で本を買うことは全く無くなりました。ソーシャルレコメンデーションが消費に与える影響は絶大です。一度でも、ソーシャルレコメンデーションを頼りに消費を行い、良い商材に当たってしまうと、次からはそのような情報無しで判断をしたいと思わなくなるでしょう。特に信頼もしていない、知りもしない人達のレビューによって自然と消費へと意識が向き、情報が無ければ買わなくなるのです。私は外出先で食事をする前に店のレビューをみたりします。評価だけでなく、その店のおススメや、頼むべき食事についても簡単に知ることができます。食べログがケータイGPSに対応してからというもの、ふらっとお店に入ることも無くなった気がします。
このようなソーシャルレコメンデーションが誰にでも、より簡単にアクセスできるようになれば消費行動は大きく変わるでしょう。以下の映像ではAR端末の開発者が手に取った本のAmazonレビューを読み、トイレットペーパーのブランドを選ぶ際に漂白剤の少ないもの(環境に良い選択)を選んでいます‥
かなり近未来な話ですが、そのような技術は既に身近な端末に存在しているようです。市場が急速な対応を求められる日も近いでしょう。先ほどの映像の中にもあったように商品だけではなく特定の人物もタギングの対象となります。匿名のバッシングの温床になる可能性も否定できません。すぐそこにある拡張現実という未来に私たちはどう対応していくべきなのでしょうか?
June 2, 2009 1:15 PM

現代人は誰でもストレスを抱えているし、何かに「ケチをつける」ことで自分の立場を正当化し、そのストレスを発散したがるのだと思います。インターネットはそんな人にとって格好のストレス発散の場なのかもしれません。色々な記事やソーシャルブックマークなどのコメントを見ても、アンチテーゼで自身の知識や経験を「主張」している書き込みが目立ちます。もちろん、私もその一人です。アンチテーゼをベースにブログ記事を書く事はとても多いです。特に、昨日のモーブッサンの一件は記事を書かずにはいられない気持ちでした。しかし、一夜経ってみればそこらじゅうにそんなモーブッサンの記事だらけ。相当批判的なものもいくつか見かけました。プロモーション方法を揶揄するもの、勝手に結果を決めつけるもの、内容は様々ですが大体が「批判」に乗っかった自身の知識の「主張」に過ぎません。
実際手法やオペレーションに批判が相次ぐ中、昨日のモーブッサンのプロモーションは評価されるべきなのでしょうか?私はされるべきだと思います。セッティングの発注が何件あったかはわかりませんが、ダイアの原価くらいは回収できたんじゃないでしょうか。また、メディア効果は誰もが見たとおり、絶大なものがありました。そして、批判を行っている方々は元々ターゲットではなく、モーブッサンのブランドイメージがそこまで傷付いたとも思えません。(露出が確保できれば回復のチャンスもあるでしょう。)ブランド側も並んでいただいた方々に顧客になってもらおうとは思っていないはずです。実際の顧客層に対しては強力なリマインダーとなったはずですし、たくさんの批判的な記事によってブランド名に対する広く強烈な印象を残しました。これが最初から計算されたネガティブキャンペーンだとは思えませんが、たくさんの方々がアンチテーゼを提示することでモーブッサンのPR効果に一役買ったことは確かです。
もちろん、PRの方々も予想されたネガティブなイメージに上手に対応(仕込み?)をしています。ニュースやワイドショーの中では「超富裕層市場向け」という位置づけをコミュニケートし、不況への強さをアピールしていました。また、数百万円の商品を紹介し、顧客層にはしっかりとしたキャンペーンとの差別化を提供しています。一般的な所得では「買えないブランド、という点は十分にアピールできています。確かにチープなプロモーション手法が嫌われるリスクも少しはあったとは思いますが、PRに自信があり、露出を優先したのでしょう。彼らは更に顧客へのダイレクトマーケティングをフォローアップとしてしっかりと行っている可能性もあります。メリットとデメリットを正しく比較検討できる勇気のある経営者はもう少し評価されてもいいのではないでしょうか。
ひとつ残念な点として、ブランドが一般消費者の興味を拾えなかった点があります。モーブッサンは各検索エンジンで昨日の急上昇キーワードの上位に入りました。しかし、肝心のウェブサイトはブランドのアイデンティティを伝える事が出来ていません。(アクセスもそこまで伸びていないでしょう)海外で制作・運用され、Googleでは検索結果にすら出てこない事は置いといて、ブランド情報が全く無いのです。下手なカバーフローのエフェクトで商品情報だけを表示するFLASHサイトでは新規顧客に接触してもブランドを理解してもらうことは不可能です。日本語の特設サイトは準備できなかったとしても、せめてELLEオンラインなど、何らかのWEB媒体でブランドについてのアドバトリアルを作るべきでした。残念ながら昨日ブランド名を検索した多くの消費者はモーブッサンの歴史や理念、商品に込められた想いを知ることはなく、騒動の記事を読むだけに終わってしまったことでしょう。
話は変わりますが、そんなアンチテーゼによって広がったキャンペーンの中で最近もっとも印象に残っているのは地デジカ。あの時もネガティブキャンペーン効果について書かずにはいられない気持ちでしたが、あまりに低俗だったので止めておきました。あの批判の嵐を広告費に換算するといくらになるのでしょうか?また、アナログマの登場やたくさんのゲリラ的なコンテンツによって発信されたメッセージは、地デジへの乗り換えの必要性を多くの人に伝えることに成功したんじゃないでしょうか?意図的かどうかは別として、ネガティブキャンペーンとしては大成功だと思います。
以前、このブログでも紹介したシューガーマンの本に効果的なネガティブ・キャンペーンのいい事例が紹介されていました。アメリカで男女平等やフェミニズムが叫ばれている時代、シュガーマンは一般的にあまり知られていない「スノーモービル」を扱う際に、クライアントであるリゾートホテルに「女性のスノーモービル乗車禁止」を発表させました。もちろん大炎上につながったわけですが、その結果スノーモービルは飛ぶように売れ始めたそうです。シュガーマンのように批判、怒り、アンチテーゼというような力を正しくバイラルに活用することができれば、非常に強いセールスコミュニケーションを行うことができるのではないでしょうか?
May 30, 2009 12:41 PM
大体の外資系ブランドのWEBサイトは本国が完全にコントロールしています。ファッション業界自体のネットリテラシーがとても低いので、ほとんどのWEBサイトが「競合に対する先進性」という点で判断され、作られます。結果、なんの具体的な成果指標も立てられず、消費者はブランド名の一語検索以外ではたどり着けない(それですら出てこないサイトもあります)WEBサイトが出来上がります。今となってはそんなイメージ重視なFLASHサイトはとても先進的とは言えません。しかも、そのようなサイトの為に、日本では並行輸入業者とネットショップ、そしてアフィリエイトサイトがブランド名検索のロングテールを取り放題な状況になっています。ブランド名をGoogleアラートなどに入れておくと届く情報の9割以上はそのようなアフィリエイト。オフィシャルな情報はありません。

このままだとネット上のブランドに対する情報の全ては「より安い購入オルタナティブ」になってしまいます。コミュニケーションの低下からブランド自体の価値も無くなるでしょう。ただでさえ、ラグジュアリーブランドの需要は年々減っています。いくつかのラグジュアリーブランドの検索ボリュームの推移を見ても5年前に比べ半分程度になっています。2013年にはブランドのニーズそのものが無くなってしまうようにも見えます。目の前の破綻を回避する為にはオフィシャルな情報をネットからアクセシブルにする事。そして、ブランド名という限りある資源以外からの集客を意識する必要があるでしょう。
April 17, 2009 10:44 PM
・プレゼンとは何か?
最近の私の仕事は主にプレゼンです。企画やアイディア、優れたデザインや技術の価値を相手に理解してもらう事。プレゼンとは相手に何かを発見してもらい、前とは違った考え方をもってもらう事だと思います。そして、一人の発言に多くの人間が注意深く聞いてくれるとても貴重な機会です。プレゼンテーションで最も重要な事は考え方を相手に上手く届けることです。新しい考え方を受け入れてもらう為に私は4つのステップでプレゼンを構成しています。
・FACT (事実)
大体のプレゼンはソリューションの提案です。しかし、問題を理解していなければ相手がそのソリューションの価値を感じる事はできません。まずは問題点を理解できるよう、否定できない事実を相手にぶつけます。ここで提示する事実はキャッチとして、できるだけショッキングなものを用意しましょう。数値を使う事は効果的ですが、必ず数字が意味を持てるように比較できるものを用意するなどしてください。
・PERSUASION (説得)
問題に対する答えを言ってしまう前に、問題点の解決に向けたアプローチを相手に考えてもらいましょう。人間は他人から聞いた事よりも、自身で辿り着いた考えを重視します。後に伝えるソリューションへ自然と辿り着けるよう、資料と説明によってサポートします。説得中には相手にとって新しい事実、手法、技術などについても説明し、ソリューションに対する興味と期待を作り上げることが重要です。
・PROPOSAL (提案)
ここで初めて、ソリューションのスキーム(計画)を発表します。問題点の理解から、新しい情報を経て、ソリューションの考え方に納得をしてもらいます。相手は必要な知識を事前に得ているので、その効果についても納得ができるはずです。
・SUPPORT (サポート)
最後に更にソリューションの付加価値を高める情報や提案があれば付け加えます。相手が納得した考え方をより一層正しく感じてもらいます。サポートは必ず必要ではありませんが、質疑応答などに移る前のプレゼンの締めにはとても効果的です。
もし、プレゼンにコツがあるとすれば、資料をできるだけシンプルにし、説得や提案を話し言葉だけで行う事です。話す内容を全て書き込んだ資料は視角から理解するのに時間がかかり、話の説得力を低下させます。また、常にエンターテイニングである事も意識しましょう。プレゼン中にいくつかの笑いが取れれば、相手の集中力も持続します。最後にひたすら練習です。何度もプレゼンテーションを行うことで本番では資料を見たりする事なく、説得力のある話を直接相手に行うことができます。
今まで一番勉強になったのはジョブスのKeynote Addressでした。Appleのサイトでは未だにいくつかのプレゼンテーションが見れるので、参考にしてみると良いと思います。
April 15, 2009 9:11 AM
最近の年代別のインターネット利用に対する調査結果を見ていると50代オーバーの男女も積極的にPCやケータイを通じてインターネットを利用していることが分かります。利用する時間に関しては50代でいったん落ちますが、リタイアをしている60才以上では増加します。もちろんリテラシーの差や、利用するサービスや機能は世代により大きく異なります。インターネットはテレビや雑誌等と違い、コンテンツによって利用量のセグメントがされるような媒体ではないので、個別のエイジグループの動向を掴むのは難しいでしょう。しかし、それは何らかの広告媒体とWebを組み合わせることでターゲティングが可能になります。例えば新聞広告はWebへのランディングに対して未だとても有効なツールです。新聞を隅から隅まで読む世代をターゲットする高額商品、特に金融商品などは新聞購読者というデータベースからのオプトインを軸にしても良いでしょう。
私たちが実施するWebプロモーションには時に70代の方々が参加される場合もあります。もはやプロモーションにインターネットを活用するという判断は対象の年代によって縛られる事はありません。今後は年代別の検索動向などに注目したいと思います。