効果測定 | 日記

広告代理店の赤字

April 14, 2009 6:24 PM

先週、電通が510億円の特別損失と、創業以来の赤字に転落する可能性を発表しました。そのうち377億円が仏ピュブリシスの株式評価損との事ですが、株価はそこまで大きな下落には見えません。むしろこの経済危機の中ではそこまで悪い下げ率では無いような気もします。その株を15%所有する事でそこまでの損失が出て、巨大広告代理店が赤字に転落してしまうのでしょうか?博報堂も利益100%減を発表しました。サカスへの引っ越しが理由として挙げられていた様ですが、引っ越しを知らなかった訳ではないでしょう...どちらにせよ、「本業の不振が理由では無い」という事にしなければいけないのだと思います。

消費者と一般企業の成熟による広告マーケットの縮小は不況によって急激に加速しました。スマートな消費が定着した今、消費が元に戻ることは無いでしょう。広告代理店もラグジュアリーブランドのように新しいビジネスモデルを(いくら小規模でも)模索しなければいけないのですね。

ケータイ+リモコン+Yahoo!

April 9, 2009 3:05 PM

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ヤフーがテレビメーカーや機種を問わず閲覧できるにテレビ版Yahoo! Japanを公開しました。その次の日はGyaoの子会社化を発表。テレビでのインターネット利用が大きく一般化に向けて前進しそうな気がします。VIERAでもYouTubeが見れるなど、「テレビのテレビ番組離れ」みたいな現象が起きている気がします。先進機能という付加価値で買い替えを促進させようと必死なメーカーはどれだけTVでのネット利用を真剣に考えているのでしょうか?

・慣れ親しんだインターフェース
インターネットアクオスなんかはリモコンにタッチパッドを加えるなどして、TVのインターネット端末としてのユーザビリティを十分に検証している気がします。最も注目した点は12キーに文字入力機能が備わっているところ。日本人の大半が使用できる文字入力インターフェースをリモコンに搭載する事で、キーボードを不要としています。

これを本当にケータイと同じインターフェースにしないのは何故でしょう?12キーの上に十字キー(ニューロポインタも?)という誰もが慣れ親しんだ形にすれば、普及もしやすくなるのでは?また、地デジのチャンネル構成であれば12キーではなく10キーでよいでしょう。「#」や「*」の代わりに「@」や「.」があれば更に使いやすくなりますね。@や.は1でしたね...失礼。

そんなリモコンがあればTVでWebを見る事に違和感が無くなるような気がします。

マウスからキーボードへのストレス

April 7, 2009 6:50 PM

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消費者の購買行動の各ステップの間には「面倒(ストレス)」という幾つもの小さなハードルがあります。広告や販促活動はインセンティブやメリットを伝えることで消費者の重い腰を動かし、ハードルを乗り越えさせ、購買へと誘導しているのです。買いに行くのが面倒、選ぶのが面倒。そんな一つ一つの面倒を把握、分析できなければ購買行動の導線を最適化する事は出来ません。

Webサイトでユーザーが最も頻繁に遭遇する面倒なハードルはフォーム入力です。唯でさえ個人情報の提供をよく思っている消費者は少ないのに、その行動自体が面倒であるがために企業は色々なインセンティブを消費者に提供します。誘因を使ってフォームへとユーザーを引き込む事も重要ですが、そのストレスをユーザーに意識させない事も重要なのでは無いでしょうか?フォームを前に離脱してしまうユーザーは何を感じて、何故離脱してしまうのか?そこにはマウスからキーボードへの操作方法の切り替えという「面倒」があるのだと思います。そんなに面倒な事には聞こえないかもしれませんが、人間は一人でいる時、この「面倒」に非常に左右されやすい生き物です。特にクリックやページ遷移という小さなアクションは無意識のうちに影響を受けてしまいます。

・体勢の変化
通常、Webサイトは閲覧にキーボードを必要とせず、マウスの操作のみで大体のコンテンツが閲覧できるはずです。その際、ユーザーはキーボードを操作しないので前傾姿勢である必要すらありません。もし椅子に座って背を凭れながら閲覧をしている場合、キーボード操作の為に体を起こさなければいけません。また、今まで片手で済んでいた作業が両手に切り替わることも脳にとっては面倒な話でしょう。マウスからキーボードへの移行は色々な体勢の変化を必要とし、体にとっても、脳にとっても面倒な事なのです。

・視野の変化
Webを閲覧するユーザーの視線はページ全体を斜めに流れるように動きます。目の動きを細かく制御することは人間にとってストレスであり、面倒な事です。また、フォームの情報はただ流し読みするだけではなく、細かく把握する必要があります。詳細な内容を理解し、正しい情報を入力するために目の動きは必然的に細かくなります。また、ブラインドタッチができないユーザーにとってはキーボードと画面を視点が往復することになります。特に高齢のユーザーにとってこの視野の変化は非常にストレスの多い事だと言えます。

・消極的から積極的
視野の変化でも少し触れましたが、フォームの内容を把握し、正しい内容を記入することはユーザーの意識にも大きな変化をもたらします。Webを閲覧している間は、与えられた選択肢の中から選ぶだけでよかったのですが、フォームでは質問に答えなければいけません。より積極的なインタラクションを必要とするフォームは消極的にWebを閲覧しているユーザーには面倒なものと認識されるでしょう。

入力フォームによって要求されるマウスからキーボードへの操作切り替はユーザーにとってこんなにも面倒なものです。しかし大半のコンバージョンには必要でもあります。ポイントはマウス操作時のユーザーにこのストレスを事前に感じさせないということでしょう。

マウスからキーボードへの移行は無意識にユーザーにストレスを感じさせるものですが、必要に迫られれば大した事ではないという事を理解する必要があります。

ChantecailleとMauboussinのコラボキャンペーン

March 25, 2009 9:20 AM

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ジュエリーのブランド(モーブッサン)がコスメブランド(シャンテカイユ)のメーリングリストへ旗艦店オープンの告知と割引のプロモーション。商品10%引きと$150相当のスパクーポンがもらえるそうです。導線の作り方次第ではもう少しうまくできそうですね。コスメを買った(又は来店した?)お客様にジュエリーの割引クーポンを贈るとか。ジュエリーブランド側にCRMにつなげる機会があればなお良いと思います。ジュエリーもファッションも苦しい時代ですから、コスメブランドに乗っかるのは賢い選択だと思います。

撮影ディレクションとコミュニケーション能力

March 18, 2009 2:07 PM

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パリでの撮影を終えました。フォトグラファーは前回と同様、ベン・ハセット。スタイリストはベンのパートナーでもあるジュリア・ヴォン・ボエム。ベンのフォトグラファーとしてのオールラウンドな才能は前回の撮影で十分わかっていたのですが、ジュリアもカリーン・ロイトフェルドのアシスタントを4年勤めただけあり、かなりの知識の宝庫。更にメイクはロイド・シモンズ、ヘアはオディール・ギルベールと全員がファッションフォトグラフィーの大ベテランです。そんなチームにロシア人のモデルやイタリア人のスタッフが加り、色々な言語が飛び交う撮影現場。シンプルなスタジオ撮影でしたが、非常に楽しい一日でした。

・言語力ではなく、伝える力
時間内に、皆のモティベーションをキープしつつ、テーマに沿った最高のアウトプットを引き出すこと。ディレクションはそんな仕事だと思っています。現場をまとめるために必要なのは言語力ではなく「伝える力」、コミュニケーション能力です。片言でも身振り手振りで伝わりますし、重要なことは相手を理解し、工夫をするという事だと思います。

撮影現場では即席の資料が大変役に立ちます。スタイリングをまとめた写真をあらかじめプリントアウトし、皆の考えをコラージュでまとめます。もちろんカンプも持参し、その場にあるファッション雑誌や、ネット上の資料も複数のノートで一覧できるようにします。撮影前に考えを視覚化し、まとめることで、全員が共通の目標に向かって仕事を開始することができるのです。もちろん、今回のように共通言語を持たないチームにとっては唯一のコミュニケーションツールにもなります。次の作業が始まる前に、どんな資料や情報があったら仕事がしやすいか。考えを資料として押し付けるのではなく、選択肢やクリエイティブの幅をキープしつつビジュアルな資料を通じて方向性を詳細に定めていきます。

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※左から撮影のコーディネートをしてくれたエルマーノ、オディール、そして日本の薬局コスメのおみやげに大喜びのジュリア。

・アーティストではなく、伝える人
撮影後の打ち上げ(La Sociéte 4 place Saint Germain des Prés 75006)にオディールとじっくり話す時間がありました。私からは母親くらい年の離れた彼女はファッションが最も面白かった時代にトップヘアスタイリストとして世界中のブランドの仕事を手がけました。最近はフランスからChevalier des Arts et Lettresを贈られるほどのお方。打ち上げのワインが2、3杯入ると彼女がシャネルを14年間も手掛け、今もなお世界中のトップフォトグラファーと仕事をし続けるための「違い」が何なのかという話をしてくれました。

これほどまでの経歴を持つ彼女は自身がアーティストではないと言い切ります。「アートは写真の中にしかない。それ以外はすべてただの仕事。」だそうです。彼女の仕事とはその手を使って世界観を「伝える」こと。自身はコミュニケーションのメディウムでしかないと言うのです。彼女のその謙虚なスタンスに加え、仕事の目的を本当に理解し、伝える、その「コミュニケーション能力」こそがトップアーティストとして長く活動できる秘訣なのだと感じました。

このコミュニケーションという言葉、もちろん双方向ですから、「表現する力」と同じくらい「理解する力」が必要な訳です。どんな仕事をしていても(特にWEBは)相手を理解する事が一番重要な事でしょう。そんな考えについてはまた今度。写真は一ヶ月後くらいに出来上がります。

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FICC inc. 代表取締役社長 荻野英希。国内外でのデザイナー、アートディレクターとしての勤務を経て、2004年にFICCを設立。外資系ブランドのWEBコンテンツの企画、制作、運営、マーケティングから戦略的なプロモーションまで、総合的なプロデュースを手がける。

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