インターネット広告 | ソーシャルメディア

ラグジュアリーブランドのWEBサイト

August 25, 2009 7:23 AM

ラグジュアリーファッションは最もWEBへの対応が遅れた業界の一つであり、金融危機の影響を直接受けました。マスメディア(主に雑誌)への依存が激しく、その影響力の低下と共に業界全体が大きく衰退し始めています。WEBへの対応が遅れた理由の一つとしてラグジュアリーブランドが機能的なベネフィットを直接的に消費者へ訴えてこなかったことが考えられます。ブランドから発信される情報はすべて情緒的なもの。機能は雑誌を通じて伝えられてきました。しかし、その情緒的なコミュニケーションもインターネット上のチャネル(検索エンジンやCGMなど)を活用できず、積極的にブランド情報を求めるユーザーのみに発信されています。例としてルイヴィトンのWEBサイトは「ルイヴィトン バッグ」と検索しても出てきません。構造上の問題から、二言以上の検索にヒットさせることができないのです。この状況は並行輸入業者とアフィリエイターにとっては恰好のビジネスチャンスになっています。二語以上のルイヴィトンに関するキーワードは取り放題なので、誰もがアフィリエイトのブログ記事を通じて「こっちのほうがお得!」と宣伝しているのです。

lv.jpg

「ルイヴィトン バッグ」Yahoo検索
「ルイヴィトン バッグ」Google検索
「ルイヴィトン」Googleブログ検索

このような状況が続くと、ブランドはどうなるのでしょうか?消費者の情報源はコントロールされたマスメディアから、お互いが情報源となるWEBへと世代交代とともにシフトし始めています。若い世代は情緒的なブランドアイデンティティに接する事はなく、WEBに溢れる「より安いオルタナティブ」(並行輸入)の情報ばかりを見てしまいます。彼らにとって、ラグジュアリーブランドとは情緒的なアピールも、機能的なベネフィットも、何の価値も無いものになっていくのです。これを裏付けるように「ルイヴィトン」の検索は毎年下がっています。その需要はもはや2003年当時の半分にまで落ち込んでしまいました。

lv_trend.jpg

「ルイヴィトン」GoogleTrends

他のラグジュアリーブランドに比べ、ルイヴィトンのWEBサイトのコンテンツは比較的しっかりしています。ブランディングを重視するコンテンツや、顧客の心をつかむためのコンテンツもあります。しかし、一般的にはシーズンイメージや商品写真だけを紹介しているカタログ的なファッションブランドのサイトがほとんどです。これらのサイトは長期的なビジョンで構築されることはなく、毎シーズン作り直されます。これでは消費者にリーチしてブランドに好感をもってもらうコミュニケーションを確立する事はできません。

■anteprima.com

anteprima.jpg

この問題点に取り組むために本日アンテプリマのサイトをリニューアルしました。アンテプリマも昨日まではフルFLASHのカタログ的なサイトであり、極めて限定的なオーディエンスにイメージのコミュニケーションだけを行ってきました。今回のリニューアルではできるだけ多くの情報を網羅し、WEBサイトにしっかりとしたストラクチャーを与えています。文字の情報量はリニューアル前の500倍ほど。ページ数は1000を超えています。消費者の検索ニーズに応えると共に、ブランドがより多くの情報を発信できるプラットフォームを用意する事、消費者との接触機会を最大化する事が主な目的でした。今後の課題としてはブランドアイデンティティを明文化し、CGMへと拡散させるコミュニケーション戦略などが残っていますが、一先ず、消費者とのダイレクトなコミュニケーションチャネルは確率できたと思います。

anteprima_collection.jpg

anteprima_collection2.jpg

anteprima_bags.jpg

anteprima.com

コミュニケーションを学ぶ

July 12, 2009 10:06 AM

learn.jpg
日本人はコンテンツを作る能力には長けていると思います。それが文化なのか、教育システムなのか、メディアの強さによるものなのかはわかりません。ただ、この国は間違いなく世界で最もクリエイティブなコンテンツを「消費」する国でもあります。インターネットの普及により情報がメディアに独占されなくなり、その消費スピードは大きく増しました。様々なツールにより、コミュニケーションはより断片的なものになり、消費者は編集された情報より、お互いが提供する情報の集合やストリームを重視するようになりました。

同調性の強い日本の社会の中で、自身の周りの情報を把握する事は大変重要なことなのでしょう。しかし、十年前に比べ、個人が把握すべき情報は爆発的に増えました。同調する事に抵抗ができない子供や若者にとっては、彼らの親の世代が理解できないほど情報収集に対するプレッシャーが存在すると思います。

今、教育で変えなければいけないこと。そして子供や若者に身に付けてもらわなければいけない力はまともにコミュニケーションを取れる力ではないでしょうか?ニュースを見ているとコミュニケーションが取れない人間が社会に取り残された結果引き起こす無差別な事件が目立ちます。情報が溢れ、断片化し、チャネルが複雑化するなかで、コミュニケーションのノウハウを持っていない人たちは社会から切り離されているのです。もちろん、同調性をそこまで重視せず、自身の意志や価値観で生きるという教育もこの国には圧倒的に足りていません。でも何より、自身の気持ちや考えを相手にちゃんと伝える方法を学ばせる必要があるのだと思います。

WEBの様々な技術の進化によって、コミュニケーションの断片化は今後も進んでいくでしょう。情報の量は増える一方です。良いコンテンツを作るという一般的な教育も重要かもしれませんが、コミュニケーションをデザインする教育が広まれば、日本という最先端のコミュニケーションと古い社会制度が混在・対立する社会のストレスが少し減るような気がします。

先日のシンポジウムでは、このようなコメントを求められていたのかもしれませんね。自分の準備不足に反省です。

セールスコンテンツマトリクス

July 8, 2009 11:35 AM

marketing.jpg

ダンS.ケネディ究極のマーケティングプランを読みました。前回のセールスレター以上の良書です。売る商品の表現方法と伝え方をいかに最適化して、最大限の販売効果を得るか。基本的な内容も多いですが、トータルでできていなかった事をたくさん気付かされました。気づいた一つの点として、WEBの場合、セールスコンテンツの作り方があります。大体どんなウェブサイトも何かを売るために作られているのですが、多くの場合、埋もれていたり、購買動機づけにつながっていません。詳しくは次回の連載にまとめようと思っていますが、取り急ぎ一つ、セールスコンテンツの立案法を提案します。

セールスコンテンツが必要とする消費者ニーズの反映、集客用の実用的なノウハウや情報、商品価値を決定づけるUSPやスペシャリティ、その商品を買う理由となる提案、オファー、そしてテスティモニアルやケーススタディ。これら全ての要素が連動した時こそ、WEBから商品(サービスなども含め)が売れると確信し、エクセルの表を作りました。今朝から自分でも過去に企画したコンテンツに当てはめて利用していますが、目から鱗です。一つのマスを埋めるたびに他のマスを編集し、5つのマスが埋まると確実なセールスコンテンツが見えるのです。是非お試しになって、フィードバックなどをお送りください。

sales_content_matrix.xls (18KB)

ネット(WEB)への過剰な期待

April 28, 2009 5:37 PM

少し前に広告のCDをやっている方とお話をさせて頂きました。私は広告の仕事をやる事が少ないので、第一線で活躍して方がWEBに対してどんな意識を持っているのかは興味がありました。一時間ほどのお話の中で印象に残った言葉は「ネットへの過剰な期待」でした。クライアントも、広告代理店も、マス広告の限界を感じ、ネット(WEB)に過剰な期待を寄せているとの事です。しかし、WEBは情報の発信という意味ではマス広告に比べて極めて非力です。確かにWEBで山火事のように情報が広まる事もありますが、その起点には必ずと言っていいほど他のメディア(大体テレビ)が存在します。多くの場合、代理店や広告主にとってWEBの魅力は理解できる効果ではなく、低いコストとプレゼンテーションのし易さなのかもしれません。

・WEBってこんなもの


そんな話をしているといつも↑↑このスライド↑↑を思い出します。発信するメディアとしては雑誌にも及ばない事が多い。そんなWEBにTVCMのような"ダイナミズム"を期待されても正直厳しいのです。しかし、このスライドにあるとおり、やり方次第でコミュニケーションのクオリティはセールストークに匹敵します。ニーズを持った消費者を見つけ出し、数万人に対して個々に営業をかけることがWEBの一つの力なのではないでしょうか?

・需要と最適化
WEBの仕事は需要ありきだと思います。直接的なニーズが無い場合は間接的なものを見つけ出し、活用します。マス広告のように新しい需要を作り出す事はあまりありませんが、ニーズさえあれば顧客を簡単に見つけ出す事ができます。元々買うであろう人に、欲しい商品を提供する。あまり面白く聞こえないかもしれませんが、効率的なこのプロセス(広がりも含め)をいかに最適化するかがWEBのマーケティングであり、プロモーション方法だと思います。最近ではデジタルサイネージやFelica等を活用し、売り場からモバイルへと引き込むような「売場やパッケージのメディア化」も進んでおり、消費者の購買行動は更に複雑化しています。仕組みの面白さはもちろんですが、広告の投資はより費用対効果の高いオルタナティブに流れるのが当たり前。しばらくは広告効果の最適化に向かって極端に市場が動いていくと感じています。

・マス広告との共存・相乗効果
しかし、WEBがマス広告に置き換わる事はありません。現時点では両方とも購買動機付けの中で重要な役割を果たしています。マス広告が大量の購買に不可欠なのは当たり前ですが、WEBも、購買プロセスの各段階での離脱を防ぎ、広告効果を測定・最適化するというもはや不可欠な機能を持ってます。しかし、オプトインという意味でもマス広告の助けを必要としないWEBプロモーションも多く存在します。そこに費用対効果を求めると自然と広告もマスから行動ターゲティングへとシフトして行きます。不況で大きく減少したマス広告ですが、行動ターゲティングという考え方がモバイルやOOH(最終的にはテレビ?)に溢れ始めると更なる減少に直面するでしょう。

・過剰な期待と安易な期待
マス広告の効果と需要が減少する中、WEBには何が期待されているのでしょう?今まで通りのやり方で需要を生み出せる新たなメディア?今まで通りに作れ、売れる広告商品?残念ながらその期待に応えられる事はありません。何故、従来の手法で打たれる広告の効果が減少し、今まで通りでは通用しなくなり始めたのか?それにはWEBがこの数年でどれほどの社会インフラとなり、一般消費者にどれだけの(企業発信でない)情報を与えたかを理解する必要があるでしょう。

WEBプロデュースに役立つ10の無料ツール

April 22, 2009 1:23 PM

かなり釣りエントリーっぽいタイトルですが、企画を作る際に使っているツールについて聞かれたのでまとめてみました。WEBはマス広告と違い、需要を作るのではなく、需要を受け止めるものだと思います。そのため、私はどんなWEBプロモーションの企画を作る時もニーズのリサーチから始めます。対象となる商品に直接的な需要が無ければ、違うニーズを探しますし、結果次第ではWEB以外の手法を勧めたりもします。知っている人にとっては当り前の内容ですが、使い方によってはコストをかけずにコンシューマーのニーズと競合のスキを知ることができ、企画・プレゼンテーションに役立つ有益なツール・サービスのリストです。

・Google キーワードツール
キーワードに対するGoogleでのおおよその月間検索数を知る事ができます。関連ワードも表示され、複数ワードが入力できるので有効なキーワードの絞り込みなどに使えます。言語や地域も設定できるので、海外の検索動向も知ることができます。また、特定のURLからページ内に含まれるキーワードを抽出する事も可能です。
https://adwords.google.co.jp/select/KeywordToolExternal

・Ferret-Plus
同様のツールですが、ニーズの調査だけでなく、キーワードからの検索上位サイト分析なども行えます。
http://ferret-plus.com/fkwsearch

・Overture スポンサードサーチ申込
ヤフーのリスティング入札ツールです。特定キーワードに対する関連キーワードを表示できます。一つのキーワードから該当するキーワードのリストを作りたい場合に活用しています。
http://ov.yahoo.co.jp/service/srch/choose.html

・Google Trends
キーワードの検索数の推移を表示、比較できます。キーワードに対する将来的な需要の予測に加え、マス広告やプロモーションの効果測定に役立ちます。
http://www.google.co.jp/trends

・Alexa
ウェブサイトへのトラフィック、ページビュー、平均ページビュー、離脱率、滞在時間、検索到達率が比較できます。
http://www.alexa.com/siteinfo/
※Alexa Sparkyというプラグインを入れているユーザーからの集計なのでターゲットユーザーによって結果が偏りがちです。

・Yahoo ブログ検索
特定のキーワードに対する評判が検索できます。
http://blog-search.yahoo.co.jp/

・Googleブログ検索
一番多くブログ記事を拾って来るブログ検索です。最新の物から表示されるので、実施中のプロモーションの反響や、競合企業のプロモーションを調査する時にとても役に立ちます。
http://blogsearch.google.co.jp/

・Technorati
登録されたブログのキーワード出現量の180日間の推移を見ることができます。
http://www.technorati.jp/

・kizasi
同じくキーワードの話題性を出現量の過去一年の推移として見ることができます。
http://kizasi.jp/

・SEOTools
特定サイトのSEO評価を様々な側面から知ることができます。
アクセスに対してはAlexaからのデータを使っています。
http://www.seotools.jp/

他にも良いのがあればコメントください。

2 3 4 5 6 NEXT ≫
ABOUT

FICC inc. 代表取締役社長 荻野英希。国内外でのデザイナー、アートディレクターとしての勤務を経て、2004年にFICCを設立。外資系ブランドのWEBコンテンツの企画、制作、運営、マーケティングから戦略的なプロモーションまで、総合的なプロデュースを手がける。

ARCHIVES

May 2010 [2] / March 2010 [2] / February 2010 [4] / January 2010 [2] / December 2009 [3] / November 2009 [3] / October 2009 [5] / September 2009 [6] / August 2009 [2] / July 2009 [14] / June 2009 [5] / May 2009 [8] / April 2009 [8] / March 2009 [10] / February 2009 [4] / January 2009 [5] / December 2008 [8] / November 2008 [10] / October 2008 [12] / September 2008 [6] / August 2008 [7] / July 2008 [2] / June 2008 [2] / May 2008 [3] / April 2008 [9] / March 2008 [3] / February 2008 [5] / January 2008 [2] / December 2007 [1] / November 2007 [6] / October 2007 [8] / September 2007 [3] /